トオイと正人

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朝日新聞社, Sep 5, 1998 - Photographers - 208 pages
海にも島にも人びとの頭上にも白い光、鋭利で熱さえ飛んでしまったかのような光が降り注いで、まさに太陽そのものが写っている写真が続き、その写真が途絶えたとき、「そして東南アジアへ」と書いてあった。忘れかけていた何かがその先にあるような気がして、ページを捲るとそこには南シナ海とインドシナ半島の地図がページいっぱいに広がっていた。ウドーンタニはこのあたりだ。ハノイとバンコクも記してある。父の写真館の仕事から僕が遠ざかっていっても、父に、そして母の祖国にいっきに近づいたような気もした。カラー写真、捲っても捲ってもそこに写っている少年は僕そのものだつた。父も母も、妹も弟もそこに、写真の中にいると思った。木村伊兵衛賞受賞写真家による意欲作。

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