江戸の社会と御免富: 富くじ・寺社・庶民

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岩田書院, 2009 - Reference - 420 pages
幕府のお墨付きを得て公然と行われた江戸の御免富に着目し、他の富突類似興行との相違や地方との比較、そしてさらに江戸の社会制度や文化史における位置付けを視野に入れつつ、「富くじ」を江戸趣味の範疇から、歴史学研究における近世都市江戸の解明の一つの切り口とする。体的には従来一面的だった江戸の御免富の形成・展開・衰退を系統立てて考察し、そのシステムを明らかにするとともに、御免富というシステムを幕府側・寺社側・庶民側という三者の角度からそれぞれ分析を加えて全体像を描き出すことで、請負構造や受容社会の問題、さらには江戸における御免富の存在意義を考察。そして江戸の御免富が行動文化の各要素に少なからず適合するとの想定のもと、行動文化を捉え直す上での作業とも位置付ける。

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