計画的戦争準備・軍需動員・経済統制: 続『政府の能力』

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有斐閣, 2008 - Reference - 560 pages
1930-40年代の「戦争」(主に日中戦早期)の準備・遂行過程を素材とした「政府の能力」の経済分析。(軍部を含む)政府が企画・実施したとされるさまざまな「計画」「政策」は実体のない「デスクプラン」にすぎず、軍需品の開発から利用に至る調達「現場」などの実態から乖離した。「計画的」に「準備」された「戦争」が有効な「軍需動員」「経済統制」に基づいて実施されたとする「通説」「常識」「通念」に関する冷静・厳密な実証研究。―「計画的戦争準備」「軍需動員」「経済統制」の基礎となり、これらを条件づけた日本「政府の能力」ははなはだ貧弱であった。「有能な政府」が本来持てる「能力」の発揮に失敗したと考えるべき理由は見あたらない。「戦時統制の成功体験が戦後の経済政策・産業政策の成功につながった」とする「通念」は実態から乖離した神話である。

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