浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活

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岩波書店, 2003 - 320 pages
十七世紀スペイン―。政治的にも経済的にも急速に凋落の一途をたどり、国家全体が疲弊しきったフェリペ四世の治世(一六二一‐六五年)において、政治に関心のない王は、国政のほとんどを寵臣オリバーレスに任せ、多くの時間を祝宴や観劇、狩猟や恋愛に費やした。なかでもフェリペの色狂いは有名で、年齢を積むたびに女たらしの常習犯と化していった彼の愛の冒険にまつわるエピソードの数々が、巷間の俗説となって後世に残されている。戯れの恋は数えきれず、恋の相手も既婚であろうと未亡人であろうとお構いなし―。本書では、統治者としては無気力、文芸愛好家という点では詩人、放埒な生活を繰り返したという点では女たらし、そして愛の遍歴を繰り返すたびに罪悪感に苦しみ、神の慈悲にすがったという点では敬虔なカトリック教徒であったフェリペ四世の放埒な宮廷生活と、この世のすべては儚いものであるという感覚が社会全般に浸透していた黄昏れゆく十七世紀スペインの時代の風景を描き切る。

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