近代文学評論大系: 大正期吉田精一 |
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... 主人公はその仲間若しくは社會の人生を作者に仲介してゐればいいのであつて、必らずしも他の作中人物より多く活躍しなければならぬものではない。たとへば、僕の『獨探嫌疑者と二人の女』(黒潮の六年十二月號)では、常識的反省力ある俗物の一求職者が主人公 ...
... 主人公はその仲間若しくは社會の人生を作者に仲介してゐればいいのであつて、必らずしも他の作中人物より多く活躍しなければならぬものではない。たとへば、僕の『獨探嫌疑者と二人の女』(黒潮の六年十二月號)では、常識的反省力ある俗物の一求職者が主人公 ...
Page 99
... 主人公が唯だ一人である場合にも、それを必ず第一人稱的に取扱はねばならぬ理由は断じてない。其主人公が見聞感得した範圍内にのみ、描寫の筆を張らなければならぬと云ふ理由は断じてない。只だ題材の性質から、題材と作者自身との關係から、若しくは作者 ...
... 主人公が唯だ一人である場合にも、それを必ず第一人稱的に取扱はねばならぬ理由は断じてない。其主人公が見聞感得した範圍内にのみ、描寫の筆を張らなければならぬと云ふ理由は断じてない。只だ題材の性質から、題材と作者自身との關係から、若しくは作者 ...
Page 367
... 主人公の情熱によって破らなければならないやうな障碍は何もない。此處にはただ、女に対する軽視と、その輕親から生み出されて来る不幸とがあるばかりである。作者は、「悔」の主人公の反省として、女を尊重しないことは、結局自己を軽視することであると ...
... 主人公の情熱によって破らなければならないやうな障碍は何もない。此處にはただ、女に対する軽視と、その輕親から生み出されて来る不幸とがあるばかりである。作者は、「悔」の主人公の反省として、女を尊重しないことは、結局自己を軽視することであると ...
Common terms and phrases
あっ あらう あり いて うと うな そこ それは だが だけ だら たり たる つてゐる でも てゐ といふ とか ところ とも トルストイ なかっ なければならない なっ など なら なり なる にし によって のみ ブルジョア プロレタリア べき また まで やう より られ られる れる 意識 意味 云っ 葛西善 菊池氏 居る 現實 言葉 更に 江口渙 作家 作者 作品 志賀氏 志賀直哉 思ひ 思ふ 思想 事實 持つ 時代 自身 自然 自分 社會 主義 出来 出来る 書い 小説 場合 人々 人格 人間 人生 人道主義 世界 生活 精神 態度 働者 内容 日本 如き 批評 表現 描寫 文学 文壇 文學 文藝 本間久雄 民衆藝術 無産階級 問題 唯物史観 有島 有島武郎 来る 里見 里見氏 里見弴 價値 實際 藝術家