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「俺というものは、俺が考えている程、俺ではない。俺の代りに習慣や環境やが行動しているのだ」―。衰弱してゆくカメレオンをアパートで世話しながら、人間社会の現実と自己の乖離をみつめた中島敦の『かめれおん日記』。少女に教えを乞い自転車の練習をはじめた「わたし」。空襲にあっても深夜の月は皓々と車輪を照らす(石川淳『明月珠』)。敗戦の日の出来事をリアルな生命感覚で描いた島尾敏雄の『アスファルトと蜘蛛の子ら』。灰色の世界を突き抜けようとした人間の真摯さ。

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