キリンのひづめ、ヒトの指: 比べてわかる生き物の進化

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NHK出版, 2022 - 224 pages
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高血圧なキリンの心臓、物をつかみにくい猫の手......
生き物に「ざんねんな進化」はない!

ヒトとキリンは似ている動物? 見た目はまったく違うけれど、じつは骨格の構造や赤ちゃんの育て方など共通点も多くある。似ている部分に注目すると、複雑な進化の仕組みを理解しやすくなる。生き物の成り立ちを知るうえで「比較」は最も重要なのだ。手足、首、皮膚、心臓など8つの器官を通して、さまざまな動物の体に刻まれた進化の歴史をひも解く。
「キリン博士」こと人気解剖学者によるユニークな進化の話!

ヒトとは異なる環境に適応してきた動物たちの体には、ヒトとは異なる〝進化のかたち〞が刻まれている。心臓や腎臓といった同一の器官であっても、動物ごとに構造や機能がまったく違うこともある。思わず感嘆の声が漏れてしまうほどエレガントで美しい仕組みもあれば、「そんなことで大丈夫なの?」と心配してしまうような大ざっぱな構造もある。優劣があるわけではなく、どちらの進化にも、それぞれの味わいがある。
さまざまな動物たちの進化の歴史の物語を、存分に楽しんでいただきたい。(本書「はじめに」より)

目次より
はじめに――解剖からひも解く生き物の進化
第1章肺息苦しい水中への対応策
第2章手足手のひらを返すヒト、返せないキリン
第3章首頭と肩に挟まれた隙間
第4章皮膚外から支える偉大な「臓器」
第5章角その不思議な魅力
第6章消化器官たくさん食べるか、無駄なく消化か
第7章心臓はるか遠くへと血液を運ぶ旅
第8章腎臓 「毒」の排出を担う器官
第9章呼吸器酸素の取りこぼしを減らす工夫
第10章進化とは妥協点を探ること
あとがき――自分の体を知ることは

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About the author (2022)

解剖学者。東洋大学生命科学部生命科学科助教。1989年生まれ。2017年3月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了し、博士(農学)を取得。同年4月より日本学術振興会特別研究員PDとして国立科学博物館に勤務後、筑波大学システム情報系研究員を経て2021年4月より現職。専門は解剖学・形態学。第7回日本学術振興会育志賞を受賞。著書に『キリン解剖記』(ナツメ社)。

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