若きアスリートへの手紙: kyōgi suru shintai no tetsugaku

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山と溪谷社, 2022 - 488 pages
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本書サブタイトルの「〈競技する身体〉の哲学」に注目してほしい。昔から今に至るまで、アスリートというのは寡黙な存在だ。
決して多くを語ろうとはしない。だがその裏には、はてしなく深く広大な「経験と叡智の海」が広がっている。
私は、その海を学術という名のコンパスを片手に航海してみたかった。
そして、アスリートによるアスリートのための新しい哲学を立ち上げたいと志し、この手紙を書き始めた。
本書のサブタイトルには、そうした私の挑戦的な意図が込められている――町田樹

これぞまさに、アスリートの哲学と極意!
何かひとつの物事を極めようと努力するすべての人に捧ぐ、珠玉の21篇。

本書は、スポーツ界で日々活躍するアスリートに向けて、競技人生を実り豊かにするためのさまざまな極意や哲学を提供している。
アスリートの競技人生は、決まって過酷なものである。
ケガなどの身体的問題はもとより、競技成績の浮き沈みや極度の緊張状態を強いられる競技会でのストレスなどが原因となる精神的問題、あるいは競技引退後の人生形成で挫折を味わうセカンドキャリア問題など、挙げればキリがないほど、日々、さまざまな問題と向き合い続けなければならない宿命を背負っている。
そうした諸問題を克服しようと、ひたむきに努力を続けるアスリートの人生に寄り添うことを使命とした学術的エッセイ集が、ここに誕生した。

本書は、2部構成となっている。第I部では、競技種目を問わず、すべてのアスリートに共通するテーマを取り扱う。
コツをつかむ方法や、スランプの改善策、緊張を緩和させる思考法、パフォーマンスの成功確率を高めるための戦略など、競技の世界を豊かに生き抜くためのノウハウのみならず、ライバルとは誰か、「競技引退」の真の意味、セカンドキャリアの築き方など、若きアスリートの人生そのものに深く関わる話題についても、縦横無尽に論じていく。
第II部では、フィギュアスケートや新体操、アーティスティックスイミング、チアダンス、バトントワリングなど、芸術的なスポーツに取り組むアスリートにとって普遍的なテーマを取り上げる。表現力の磨き方や、優れた振り付けを生み出すための創作のあり方、個性を開発する方法など、アスリートとアーティストの二面性を持つがゆえに向き合わなければならない、アーティスティックスポーツならではの諸問題について、新たな知見を示していく。

このように、多種多様なトピックスから構成される本書は、著者のトップアスリートとしての実践経験と、スポーツ科学研究者としての学識の融合が織りなす、従来類例を見ない、まったく新しい独創的なスポーツ書籍であるといえるだろう。
アスリートはもちろんのこと、芸術を志す若きアーティスト、あるいはスポーツ以外の習い事に取り組む方々など、何かひとつの物事を極めようと努力するすべての人に届ける、知的探究の一書である。

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About the author (2022)

1990年生まれ。スポーツ科学研究者。現在、國學院大學人間開発学部助教。2020年3月、博士(スポーツ科学 / 早稲田大学)を取得。
専門は、スポーツ&アーツマネジメント、身体芸術論、スポーツ文化論、文化経済学。
主著は、『アーティスティックスポーツ研究序説』 (白水社、2020年) [2020年度日本体育・スポーツ経営学会賞受賞] 。
また、かつてフィギュアスケート競技者としても活動し、2014年ソチ五輪個人戦と団体戦ともに5位入賞、同年世界選手権大会で準優勝を収めた。
2014年12月に引退後は早稲田大学大学院に進学すると同時に、プロフェッショナルスケーターとしても自らが振り付けた作品を、アイスショーなどで発表。
2018年10月にプロを完全引退したが、現在も研究活動のかたわら、振付家としても活動中である。

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