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講談社, 2023 - 224 pages
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元は名うての博奕打ち、今は江戸は本所でさびれた蕎麦屋を営む銀平を、不治の病が襲った。死を前に、残された時間をいかに生きるべきか問い続ける銀平のもとへ、かつての自分を彷彿とさせる青年・清太が転がり込んだ。銀平は、清太や店を訪れる客らとの交流に、次第に残り僅かな人生を前向きにとらえるようになっていく。だが、再会を果たした元妻を襲った悲劇、さらに信頼していた清太の裏切りが、銀平の生きる気力を奪ってしまう。そして、逃れられない過去の因業が忍び寄り...。貧しさと業に苦しみながらも、希望と義理人情に賭けた人々の心揺さぶる人生賛歌。

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About the author (2023)

松下隆一(まつした・りゅういち) 1964年、兵庫県生まれ。京都の松竹撮影所内にあった伝説の「KYOTO映画塾」を卒業後、脚本家になる。「二人ノ世界」が第10回日本シナリオ大賞佳作入選、2020年7月、林海象プロデュース、永瀬正敏主演で映画化公開。脚本作品に映画「獄に咲く花」、ドラマ「天才脚本家梶原金八」、NHKドラマ「雲霧仁左衛門」、著書に『二人ノ世界』、『異端児』などがある。『羅城門に啼く』で第一回京都文学賞を受賞した。

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