歴史の工房: 英国で学んだこと

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みすず書房, 2016 - History - 281 pages
本書、『明け方のホルン西部戦線と英国詩人』で文名を馳せたイギリス社会経済史・文化史家にして英国王立歴史学会フェローの、待望のエッセイ選である。「英国へ留学してからも、わたしが親近感を持てる歴史家たちはみな左翼といわれる人たちだった。本書でもその人となりを語った恩師のラファエル・サミュエルはいってみれば英国の左翼をそのまま体現しているような人物だった。またわたしの博士論文の主査であり、彼の主催するセミナーに熱心に出席し大きな影響を受けたエリック・ホブズボウムもイギリス左翼の代表的な歴史家であった。」その親方サミュエルを偲ぶ「歴史工房での徒弟時代」、最初に研究員となった「ニーダム研究所」の回想、トレヴェリアン再評価をめぐる「歴史は文学か科学か」、長年の交友から論じられる「人文主義者ピーター・バーク」など歴史学の骨法を語る第1部。「商業、宗教、帝国と中世主義」の見取り図のもと、ラスキン、モリス、ワイルドとアーツ・アンド・クラフツ運動を論じ、柳宗悦、御木本隆三の足跡をたどる第2部。リベラル・イングランド、ブルームズベリ・グループを語り、近年のテーマである「植物学の帝国」を収める第3部。多岐にわたる主題を貫くのは、著者がイギリスで身につけた生活の思想であり、鴎外の史伝にも似た風通しの良さに他ならない。

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