科学と非科学: その正体を探る

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講談社, 2019 - 192 pages
本書は、科学と非科学のはざま、言うならば「光」と「闇」の間にある、様々な「薄闇」に焦点を当てた本である。「科学的」なものと「非科学的」なものは、そんなに簡単に区別できて、一方を容赦なく「断罪」できるのか? 「科学的な正しさ」があれば、現実の問題はなんでも解決できるのか? 何が「真実」で「異端」なのか? 分子生物学者が科学の可能性と限界を見つめ、私たちが生きる意味をも捉えなおしたサイエンスエッセイ


■「科学的な正しさ」を疑い、「科学の存在意義」を問う■

何が「真実」で「異端」なのか。
分子生物学者が現代社会の「薄闇」に光をあてる。
はたして科学の可能性と限界とは?
私たちが生きる意味をも捉えなおした、極上のサイエンスエッセイ!

――

現代において、「非科学的」というレッテルは、中世の「魔女」のような
「異端」の宣告を感じさせる強い力を持っている。
社会に存在してはならないもの、前近代的なもの、というような響きである。
それは科学の万能性、絶対性が現代社会では無邪気に信じられているということの証でもある。

しかし、はたして科学という体系は、本当にその絶大な信頼に足るほど
強靭な土台の上に建っているものなのだろうか?
「科学的」なものと「非科学的」なものは、そんなに簡単に区別できて、
一方を容赦なく「断罪」できるものなのか?
「科学的な正しさ」があれば、現実の問題は何でも解決できるのだろうか?
科学と非科学の間に大きく広がる、そのはざまに一体、何があるのか?

本書は、複雑で、曖昧で、怪しげで、でもちょっと面白い、その辺土への誘い、である。

――

【本書のおもな内容】
第1話デルフォイの神託/「神託」の謎に迫る科学のメスほか
第2話分からないこと/科学が持つ二つの顔ほか
第3話消える魔球/「正しい」こととは? ほか
第4話無限と有限/農薬はなぜ「大体、安全」か? ほか
第5話科学と似非科学/次々と現れる「新しい」生き物ほか
第6話科学は生きている/忍び寄る権威主義ほか
第7話科学と非科学のはざまで/カオスの縁ほか
第8話ドイツの滑空王/神々の領域ほか
第9話リスクととともに/新型インフルエンザ狂騒ほか
第10話アフリカ象と大学人/衰退する日本の科学と淘汰圧ほか
第11話 「無駄」と科学/放射線に耐える奇妙な果実ほか
第12話閉じられたこと/グローバリゼーションのもたらすものほか
第13話この世に「形」を生み出すこと/我が家の愚犬ほか
第14話確率の話/将棋と麻雀の日々ほか

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About the author (2019)

1964年、福岡県生まれ。1987年京都大学農学部農林生物学科卒業。博士(農学)。現在、神戸大学大学院農学研究科教授(細胞機能構造学)。専門分野は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)の研究。著書に『生命のからくり』(講談社現代新書)、『ウイルスは生きている』(同/2016年講談社科学出版賞受賞)がある。趣味は、将棋、山歩き、テニス等。

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