歴史における「理論」と「現実」

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仲正昌樹
御茶の水書房, 2008 - Historical sociology - 328 pages
西欧近代が生み出した「歴史」という概念は、ユートピア的な「理想」に向けての人類=人間性の普遍的な「進歩」を含意していた。進歩主義的な社会理論は、「歴史」の発展過程の中で、自らが掲げる人類共通の「理想」が現実化していくと信じることができた。カント、ヘーゲル、マルクスは、「歴史」の発展方向の法則を定式化する歴史哲学を、あらゆる哲学のメタ哲学として構築することを試みた。しかし、「歴史の終焉」と呼ばれる事態によって、「歴史」の物語性が顕わになり、普遍的な「進歩」を暗黙の前提にした社会理論を展開することが困難になっている。「歴史」の普遍性の揺らぎに伴って、歴史的に構成された「現実」の理解も多元化している。「進歩」をめぐる「大きな物語」が失効した後の社会理論の可能性について多角的に考察する。

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