和漢比較文学論考

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武蔵野書院, 2000 - Comparative literature - 398 pages
『和漢比較文学論考』といういかにもことごとしい書名を付けることにいささかのためらいがないではない。内容は雑文の寄せ集めである。「在原」の二文字の意味することについて書いたものから、『万葉集』『古今和歌集』等の歌に関するもの、『伊勢物語』『大和物語』『竹取物語』『源氏物語』等の歌物語・作り物語に関するもの、『枕草子』『大鏡』『江談抄』等の随筆・歴史物語・説話に関するものまで、さまざまである。そのときどきの関心によって書いた、「漢」との関わりがかろうじて認められるものを集めたにすぎない。だから全体が体系的なものになっているわけではないのだが、考えてきたことに方向性らしきものがまったくないということでもない。そのひとつ、書名に冠した「和漢比較」について言えば、小著に収めたものは、和漢の「対比」研究ではなく、いわゆる「影響」研究(狭義の「影響」ではなく、「引用」「影響」「材源」(素材)等さまざまな問題を対象とするものだが)を意図したものが多い。軸足を「和」において、「漢」が日本文芸あるいはその中の個々の作品の成立・形成にどのように関わっているのか、そしてそこからなにが見えてくるのか、ということを明らかにしたかったのである。

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