大英帝国のオリエンタリズム: 歴史・理論・諸芸術

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ミネルヴァ書房, 2001 - 368 pages
本書は、文化史・社会史の観点から帝国主義研究を一新して今日もっとも注目されるイギリス帝国史家によるサイードのオリエンタリズム論に対する体系的な批判である。著者は、まず歴史と理論の面からサイードとサイード以後のこの論争を批判的に検討し、次いで、文化史の素材としてイギリスを中心とした絵画、建築、デザイン、音楽、演劇を選んで、順次検討している。文学以外の諸芸術や民衆文化を取り込む著者は、サイードの文学・思想やエリート文化への偏重、西洋と東洋の二項対立的な「他者性」の理論に代わる、東西間の「文化的相互参照」の理論を提唱している。とりわけ「エリートのオリエンタリズム」と区別された「民衆のオリエンタリズム」の位相では、積極的な意味での東西の折衷的な文化が求められたこと、帝国主義の最盛期ですら東洋への敬意が示され、東洋から諸芸術の着想を得ていたことを明らかにしている。

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