ミルデンホールの宝物1946年、アメリカの雑誌のために短篇小説を書いて生計を立てていたとき、ロアルド・ダールは「ミルデンホールの宝物」という実話を書きました。サフォーク州の耕作者であるゴードン・ブッチャーという男が耕作中に、イギリス未曾有の貴重な埋蔵物、すばらしくうつくしい、ローマ時代の価値ある銀器を発見したという話です。自分の発見の意味を悟らなかったので、彼はだまされて巨額の報奨金を受け取る機会をフイにしてしまいました。人間の純真さと貪欲さがむきつけに対照され、描きだされている、この「ミルデンホールの宝物」をこのたび、ラルフ・ステッドマンの見事な挿絵を付して世に送り出すことになりました。豪華な挿絵でおくる、ダールの人間喜劇です。 |