水と気候の風景新井正 自然地理の中でも、地形については難しいという話はあまり聞かない。地形と気候・水文とを比べてみると、地形は具体的に見ることができるが気候は簡単には見られない点が大きな違いではないかという気がする。では、気候や水は見えてこないだろうか。これは実際に見ている景観についての分析や解釈の問題になる。風景そのものを気候あるいは水文の立場で分析・理解する、さらに風景の中に隠された見えない部分を気候・水文から解きほぐす、このような調査・研究があってもよい。本書では、この視点に沿った16編の論説を集めた。 |