フランスの浮世絵師ビゴー: ビゴーとエピナール版画1882年(明治15年)日本文化と浮世絵への憧れを胸に、22歳で来日したジョルジュ・ビゴー。辛辣な筆致で日本風俗を描いた画集を次々と刊行して活躍したが、官憲からの干渉や日本人妻ますとの確執などの果て、失意のうちに1899年フランスに帰った。しばらく新聞、雑誌の挿絵画家として仕事をしていたが、1906年頃パリ近郊に隠棲、それ以降の活動は知られていなかった。ところが著者の調査によって、エピナール版画美術館準備室で、ビゴーの手になる厖大な数のエピナール版画の下絵と作品が発見されたのである。ビゴーはパリを去った後、十年あまりの歳月をエピナール版画という、フランスの浮世絵ともいうべき大衆版画の制作に打ち込んでいたのであった。 |