ショック・ドクトリン (上): 惨事便乗型資本主義の正体を暴く, Volume 1

Front Cover
岩波書店, 2011 - Computers - 402 pages
本書は、アメリカの自由市場主義がどのように世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンとは、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。アメリカ政府とグローバル企業は、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行する...。ショック・ドクトリンの源は、ケインズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張したアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンであり、過激な荒療治の発想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメリカCIAによる拷問手法が重なる。

Other editions - View all

About the author (2011)

ナオミ・クライン(Naomi Klein) 1970年,カナダ生まれのジャーナリスト,作家,活動家.デビュー作『ブランドなんか,いらない』が世界的ベストセラーとなり,一躍,反グローバリゼーションの語り部となる.第2作目の『貧困と不正を生む資本主義を潰せ』を著したあと,アメリカによるイラク侵攻と占領の現実,戦後の「復興」に群がるグローバル企業に注目し,2004年に現地を取材したことが,3作目の本作につながる.『ニューヨーク・タイムズ』『ガーディアン』『ネーション』など,さまざまな媒体で記事を発表している.トロント在住. 幾島幸子(いくしまさちこ) 翻訳家.訳書に『マルチチュード(上・下)』(アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート著,NHKブックス),『思考する言語(上・中・下)』(スティーブン・ピンカー著,NHKブックス,共訳),『なぜ女は昇進を拒むのか』(スーザン・ピンカー著,早川書房,共訳)などがある. 村上由見子(むらかみゆみこ) 著述家(表象文化,エスニック研究).慶應義塾大学非常勤講師.著書に『ハリウッド100年のアラブ―魔法のランプからテロリストまで』(朝日選書)など,訳書に『マンハッタン,9月11日―生還者たちの証言』(ディーン・E.マーフィー著,中央公論新社)などがある.

Bibliographic information