時間の正体: デジャブ・因果論・量子論

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講談社, 2008 - 262 pages
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「わたし」はこの現在に立ち尽くす。「わたし」には現在しか許されない。にもかかわらず、「先ほどの現在」、「五分後の現在」といった変化を認めるなら、現在が運動する土台としての三人称的歴史が必要となる。こうして、時間は、一人称と三人称の接続する場所として開示されることになる。現代の脳科学や認知科学は、主体がこの世界の中で生きているということは、世界と自らとの折り合いをつけることであるということを明らかにしつつある。それは、世界とその表象とを、絶えず調停することであり、両者の間に同期をとることである。自分自身の運動と、その結果に対する知覚に関して、脳は絶えず同期をつくり出す。ときに時間は縮み、ときに因果関係は逆転さえする。このような主観的時間の現象が実験的に論証されつつある。翻って同期をつくるとは、まさに「現在」を絶えずつくることである。本書で展開する時間論は、これらの現象を理解する強力なツールとなるだろう。

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