近世武家社会における待遇表現体系の研究: 桑名藩下級武士による『桑名日記』を例として

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和泉書院, Nov 25, 2014 - Reference - 328 pages
近世末期桑名藩の下級武士・渡部平太夫によって書かれた『桑名日記』には、家族や藩士との日々の生活の様子を綴った生き生きとした口語的な文体のなかに、多彩な待遇表現形式がみられる。本書では、そうした『桑名日記』にみられる多彩な待遇表現形式について、およそ十年にもおよぶ日記の内容や、桑名藩に残る周辺の歴史史料からわかる人間関係や場面との相関から、その運用実態を精細に記述する。また、運用実態の記述をとおして把握した待遇表現体系が、いかなるものであるのかを、近世末期桑名藩の下級武士の生活のありようや社会構造とのかかわりから読み解く。

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