松田道雄と「いのち」の社会主義

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岩波書店, 2018 - Reference - 339 pages
名著『育児の百科』の著者として知られる医師にして、ルソーやロシア革命史の研究者、さらに「ベ平連」等の市民運動においても大きな役割を果たした“在野の思想家”松田道雄。その多岐にわたる活動と思索を「社会主義」という観点から捉えなおし、一人の二〇世紀知識人の思想的葛藤が提起した問題をあらためて問いなおす。社会主義へのアンビヴァレントな思いを背景に、自己批判に揺れ動きながら時代の精神と格闘した松田の思想像に迫る。

About the author (2018)

高草木光一(たかくさぎこういち) 1956年群馬県生まれ.慶應義塾大学経済学部教授.社会思想史専攻. 主な著作に,『岡村昭彦と死の思想――「いのち」を語り継ぐ場としてのホスピス』(岩波書店),『社会主義と経済学』(共著,日本経済評論社),『「いのち」から現代世界を考える』『一九六棚年代未来へつづく思想』『思想としての「医学概論」――いま「いのち」とどう向き合うか』(以上,編著,岩波書店),『ベ平連と市民運動の現在(いま)――吉川勇一が遺したもの』(編著,花伝社),『生きる術としての哲学――小田実最後の講義』(共編著,岩波書店)などがある.

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