ペット・サウンズ

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新潮社, Feb 25, 2008 - 187 pages
1966年夏、ビーチ・ボーイズが発表したアルバム『ペット・サウンズ』は、現在までに総計900万枚を売上げ、ロックの歴史を変える名盤となった。しかし、それまでのハッピーなビーチ・ボーイズ像を覆すこのアルバムは、発売当初はファンやメンバーの戸惑いを呼び、やがてビーチ・ボーイズの、そしてリーダーのブライアン・ウィルソン自身の生き方を大きく狂わせ、崩壊させていくことになった。著者は十代の初め、幸福な少年時代が終わりを告げた時期にこのアルバムに出会い、世界への不安が消えていくのを感じた。チャイムのようなギター、天国に上り詰めていくようなヴォイス―。それからほぼ40年を超えてなお魅力を放つこのアルバムの一曲一曲に、著者はブライアン・ウィルソンの恋愛への憧れと挫折、父親との確執、引きこもり、麻薬、肥満、そしてそこからの奇跡的な回復という闘いのドラマを聴きとっていく。一枚のレコードに込められたアメリカ西海岸の青春の光と影を描き出したノンフィクション。

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