廃プラスチックの現在と未来: 持続可能な社会におけるプラスチック資源循環日本エネルギー学会 プラスチックは透明性や耐水性が高く,軽量で様々な形に加工でき,丈夫で腐食しないといった優れた特性を持つ素材であるため,様々な分野で使用され,私たちの生活に不可欠なものとなっている。一方で,耐久性・分離困難性があるにも関わらず,種類によっては安価であるため,短期間で使い捨てられ,大量の廃棄物となり多くの環境問題を引き起こしてきた。さらに,海洋プラスチックごみ問題がグローバルな環境問題として注目されており,これを受け,プラスチック資源循環問題に拡大するとともに日本の政策重点がシフトしている。 本書は,近年世界的に注目される廃プラスチック問題について,国内外で具体的にどのような問題が生じているのか,またそれらに対してどのような取り組みがなされているのかを,資源循環社会,法制度,技術的対応といった観点からまとめ,科学的な根拠とともに紹介する。 本書が廃プラスチック問題の現状を正しく理解し,将来にわたり私たちがプラスチックを賢く利用していくための一助となれば幸いである。 【読者対象】 廃プラスチック問題に関わる研究者・技術者,NPO等市民団体や行政の担当者 |