ふくざわゆきちへんぼうするしょうぞう : ぶんめいのせんどうしゃからぶんかじんのしょうちょうへ: 文明の先導者から文化人の象徴へ

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筑摩書房, 2023 - Reference - 280 pages
福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で一九八〇年代半ば以降は一万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。

About the author (2023)

小川原正道(おがわら・まさみち):1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科客員研究員。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史。著書に『福沢諭吉――「官」との闘い』(文藝春秋)、『福沢諭吉の政治思想』(慶應義塾大学出版会)、『小泉信三――天皇の師として、自由主義者として』(中公新書)、『日本政教関係史――宗教と政治の一五〇年』(筑摩選書)、編著に『独立のすすめ福沢諭吉演説集』(講談社学術文庫)などがある。

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