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ポプラ社, 2011 - Reference - 152 pages
目が見えぬ妹の世話で自分を構ってくれぬ母に、健はご機嫌ななめ。親子の情愛にほのぼのと心温まる、壺井栄『大根の葉』。「一大事!家内が産の気が附いたようだという」―産婆の言うがまま、唸る産婦にたじろぎながらただ待つしかない男親。小さき者への愛情が見事に描かれた、二葉亭四迷『出産』。越してきた僻村で子供が病気に。背負ったわが子に懸命の声をかけ、「私」は峠の向こうの診療所へひた走る(葉山嘉樹『子を護る』)。子を思う親の心、親を思う子の心、いつの世も変わらぬ無償の愛。

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