ジョン・ロック伝

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1957年初版、イギリスの哲学者ジョン・ロック(1632-1704)の生涯と思想と活動とその時代を縦横かつ生き生きと描いた本書は、現在もなお貴重なジョン・ロック伝であり、ロック研究の基本文献として通っている。1948年にロックの3000通近い手紙と1000点ほどの雑多な手稿をふくむラヴレス・コレクションを見ることができるようになったことで、それまでのロック研究は一新し、本書の執筆・刊行は可能になった。
ピューリタン革命や名誉革命に代表されるように、国王と議会、国家と市民、宗教戦争と寛容が対立し、植民地化の始まりの時代にあって、ロックは何を考え、『人間知性論』や『政治二論』などの作品を世に送ったのか。幼年時代から晩年まで、近代国家初期のありようとそこに生きる人間の様相を探究したロックの全姿を描いた、思想史の碩学による古典的名著である。

About the author (2022)

(たなか・ひろし) 1926年佐賀県に生まれる。1952年東京文理科大学文学部哲学科卒業。東京教育大学、一橋大学(名誉)教授などを歴任。法学博士。著書『ホッブズ研究序説』(御茶の水書房、1982)『長谷川如是閑研究序説』(未来社、1989)『カール・シュミット』(未来社、1992)『国家と個人』(岩波書店、1990)『日本リベラリズムの系譜』(朝日新聞社、2000)『20世紀という時代』(NHKライブラリー、2000)『ホッブズ』(岩波新書、2016)。訳書ホッブズ『リヴァイアサン』(共訳、河出書房新社、1966)、シュミット『政治的なものの概念』(共訳、未来社、1970)、ホッブズ『哲学者と法学者との対話』(共訳、岩波文庫、2002)ほか多数。『田中浩集』(全10巻、未来社、2012-2015)。

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