リョウボトブンカザイノキンダイ

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山川出版社, 2010 - Reference - 105 pages
万世一系の「十九世紀の陵墓体系」は、記紀批判のない文献考証と、現地で「口碑」や伝説を収集する「十九世紀の学知」によって決められた。大正期以降にあらわれ、敗戦から今日まで公認となる津田左右吉の古代史・神話研究、浜田耕作などの考古学といった「二十世紀の学知」と齟齬を生じるにもかかわらず、「十九世紀の陵墓体系」は「凍結」された。本書では、ひとり陵墓の問題のみならず、広く文化財をめぐる歴史認識としてとらえた。

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