芥川龍之介・菊池寛共訳完全版アリス物語

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グラフィック社, 2023 - Fantasy fiction - 253 pages
もし『不思議の国のアリス』を日本の文豪が翻訳したら?そんな夢のような構想が現実となったのが、1927年刊行の書籍『アリス物語』。芥川龍之介と菊池寛による訳文は、アリスや不思議の国の登場人物たちがいきいきとユーモラスに描かれ、今なお色あせない魅力にあふれています。本書は、原書にあったいくつかの不足を補い、注釈や解説を付加した『完全版アリス物語』です。

About the author (2023)

1832年生まれ、1898年没。イギリスの作家、詩人、数学者、論理学者、写真家。イングランド北西部チェシャー州で牧師の長男として生まれる。本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン。作家として活動する際にルイス・キャロルのペンネームを用いた。1865年刊行『不思議の国のアリス』のほか、『鏡の国のアリス』『スナーク狩り』『シルヴィーとブルーノ』など、数多くの作品を執筆。 1892年生まれ、1927年没。小説家。『羅生門』『藪の中』『河童』などの作品が広く知られている。『蜘蛛の糸』『杜子春』などの児童向けの短篇も執筆。英文科を出た芥川は、古今東西の文学作品を読み漁り自身の創作の糧とした。1927年7月24日、「ぼんやりした不安」という言葉を遺して服毒自殺し、社会に衝撃を与える。死の8年後、親友で文藝春秋社主の菊池寛が新人文学賞「芥川龍之介賞」(芥川賞)を設けた。 1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

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