海を見た日

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鈴木出版, 2021 - African Americans - 286 pages
わたしの場合、二歳のときに母が亡くなった。だれにきいても、母以外にはわたしに身よりはいないという。だからわたしは、ヴィクとはちがって、いずれだれかがむかえに来てくれるなどと考えたことはない。まだずっと幼いころには、『小さな孤児アニー』か何かみたいに、だれかの養子になることを夢見てたけど、六歳を過ぎてしまえば、その可能性はまずなくなる。だからわたしは、自分で作戦を練った。だれも助けてくれないなら、自分で自分を助けるしかない。

About the author (2021)

M・G・ヘネシー アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス在住。作家。『スター・ウォーズ』とサンフランシスコ・ジャイアンツとストロベリーアイスとダンスが大好き。裁判所から任命された特別擁護者(CASA)としてボランティアでLAの里親制度を支援している。また、LA LGBT センターのLifeWorks プログラムの指導者として、またGender Odyssey LA の主催者として、Camp Transcened の学長として、LGBTQ +コミュニティのために活動している。邦訳されている作品に『変化球男子』(鈴木出版)がある。 杉田七重東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。小学校での教師経験ののち、翻訳家として、児童書、YA 文学、一般書などフィクションを中心に幅広く活動。主な訳書に、『変化球男子』『ぼくの帰る場所』『青空のかけら』(いずれも鈴木出版)、『ブラックホールの飼い方』『秘密のノート』(共に小学館)、『ラプンツェルあたらしい冒険』(KADOKAWA)、『グレタのねがい地球をまもり未来に生きる』(西村書店)など多数。

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