なぜ心はこんなに脆いのか: 不安や抑うつの進化心理学

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進化論で明らかにする、心が傷つきやすい本当の理由

不安や抑うつといった症状は、一見私たちにとってデメリットにしか見えません。しかし、これらを引き起こすメカニズムが人類の歴史の中でなぜ淘汰されなかったのか、という進化論の視点に立ったとき、それらが私たちの生存のために必要な存在であったことが見えてきます。またその視点から、その機能がなぜ現代において誤作動を起こし、不安などの症状を引き起こしているのかも考察し得るのです。つらい気持ちが存在する理由を進化論で解き明かす、画期的な進化心理学。

【内容より】
・なぜ不安は過剰なのか?
・情動は私たちのためではなく、遺伝子のためにある
・統合失調症の遺伝子はなぜ淘汰されないのか?
・抑うつが生む正しいリアリズムとは
・いい気分が有害になりうる場合もある

About the author (2021)

ランドルフ・M・ネシー(Randolph M. Nesse, MD) 医学博士。アリゾナ州立大学進化医学センターの創設ディレクターであり、同大学生命科学部の基礎教授を務める。ミシガン大学の精神医学教授、心理学教授、研究教授を歴任。著作に『病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解』(新曜社)がある。 加藤智子(かとう・ともこ) 筑波大学第二学類比較文化学類卒。英国イースト・アングリア大学文芸翻訳修士課程、米国ミドルベリー国際大学院モントレー校翻訳・通訳修士課程を修了。現在は主に、書籍翻訳、映像翻訳等に携わる。訳書に『アメリカン・ハードコア』(メディア総合研究所)など。

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