韓国人権紀行私たちには記憶すべきことがある青瓦台前100メートル! 日本でも報道された、「ろうそくデモ」が到達した地点です。 近代朝鮮は、大日本帝国による侵略と植民地支配を経て1945年、日本敗戦によって解放されたものの、 東西冷戦の最前線となって南北に分断され、朝鮮戦争で膨大な数の人びとが犠牲となりました。 韓国は「反共」を国是とする軍事独裁政権が支配し、80年代末にようやく民主化の光が差しました。 その後も、進歩派と保守派の権力闘争が続いていますが、民主主義を渇望し、血みどろの戦いを 続けてきた人びとはさらなる高みを目指して歩み続けています。 本書は、「光州虐殺の元凶を処罰せよ! 光州は生きている!」 と叫んで焼身自殺した弟の遺志を継いだ人権活動家が── 「済州4・3の現場」 「ソウル・戦争記念館」 「ハンセン病患者を隔離した小鹿島」 「光州5・18抗争の現場」 「軍事独裁政権が反共政策の“砦”とした南山安企部と南営洞対共分室」 「帝国日本と独裁政権が政治囚を処罰した西大門刑務所歴史館」 「民主化・労働問題・人権問題に命を捧げた人びとが眠る磨石牡丹公園墓地」 「ろうそくデモの起爆剤となったセウォル号惨事の現場」 を訪ね、犠牲となった人びとの哭声(こくせい)に耳を澄まし、より良き社会を目指して前に進む誓いを新たにします。 著者は最後に「歴史は勝者の記録だと言われる。一面では当たっている。 だが、それよりはるかに長期的観点で見れば、歴史的事実に疑問を抱く人々がいる限り、 その歴史は必ず変えられている。被害者が声をあげ、権力が挑戦を受ける時、歴史は再び書き換えられる。 私たちは今、犯罪が正当化された権力の歴史を消し去り、遅れはしても、人権の歴史を新たに 書き綴っていく途上にあるのだと信ずる。 /過去の国家暴力―国家犯罪が可能だったのは、その時代に多くの人々が沈黙したからである。 知らぬうちに暗黙の共犯者になりたくなければ、韓国社会の被害者たちが自分の体験したことを、 いかなる恐れもなく語ることができるようにしなければならない。 私たちは、彼らの言葉にいっそう傾聴しなくてはならない」と結びます。 ここにある「私たち」とは誰か? 日本の「私たち」もまた記憶すべきことがあるのではないか? そんな思いを込めて本書をまとめました。 |



